ユーリス C


 …………。▼
 ……ユーリスさん?▼
【ユーリス】
 女神様へのお祈りは終わったか?
 それにしても、毎朝毎朝飽きないねえ。▼
 お貴族様ってのも大変だな。
 信心深かろうと、そうでなかろうと祈りは欠かさない。▼
 それで、はいったい何を祈るんだ?▼

 え……? ええと、
 わたしはいつも、女神様に感謝の気持ちをお伝えしています。▼
【ユーリス】
 感謝、ねえ……。▼

 毎日、つつがなく過ごせるのは
 女神様のおかげですから。▼
【ユーリス】
 へえ、俺はてっきり
 あんたはただ目を瞑って、それらしいふりをしてるだけだと思ってたよ。▼

 えっ? ど、どうしてですか?▼
【ユーリス】
 どうして、って……
 、神頼みする性質じゃないだろ?▼
 毎朝大聖堂に足を運ぶくせに、
 妙に肩身の狭そうな顔してやがるし。▼

 そんな、ことは……。▼
【ユーリス】
 はは、別に責めようってわけじゃねえよ。
 敬虔なセイロス信徒たれ、ってのが貴族の教えだろ?▼
 これでも、一応ローベ家の養子だったんでね。
 あの頃は色々と口うるさく言われたもんさ。▼
 ま、俺は元々女神様を敬っているけどな。▼

 そういえば……ユーリスさんは、
 青獅子の学級に所属されていたんでしたね。▼
【ユーリス】
 ま、俺には向いてなかったのさ。
 堅苦しいのは苦手でね。▼
 将来有望なんて言われていたが、
 結局俺が誇れるのはこの顔くらいなもんだしな。▼
 遅かれ早かれ、
 ローベ家とは縁が切れていただろうさ。▼

 …………。▼
【ユーリス】
 何だよ、変な顔して。▼

 いえ……ユーリスさんも
 ご謙遜されるのだな、と思って。▼
【ユーリス】
 うん? 別に謙遜したつもりはねえが……▼

 ユーリスさんお顔は、確かにとてもお綺麗です。▼
 でも……誇れるのがお顔だけ、なんてことは
 ないと思いますよ。▼
【ユーリス】
 へえ? じゃあ、俺のいいところを
 じっくり聞かせてもらうとしようかな。▼