シルヴァン C

【シルヴァン】
 やあ、
 何か困っているのかい?▼

 ひっ……!
 あ、し、シルヴァンさん……ご、ごめんなさい。▼
【シルヴァン】
 いやいや、
 俺のほうこそ驚かせちまったみたいで、ごめんよ。▼
 それより、木を見上げてどうしたっていうんだい?
 ん? あれは……猫、か?▼

 あの子、降りられなくなってしまったみたいなんです。
 先ほどから、あそこでずっと鳴いていて……。▼
【シルヴァン】
 そういうことか。
 だったら、俺に任せてくれ。▼
 ……っと。ほら、おいで……おーい、こっちだぞ。
 あっ! おい、逃げるなって。▼

 …………。▼
【シルヴァン】
 いてっ!
 おい、暴れるなって……!▼

 だ、大丈夫ですか? あっ……。▼
【シルヴァン】
 いてて……
 はあ……助けてやった礼がこれとは、やってくれるぜ。▼

 す、すみません!
 わたしがこんなことを頼んだせいで……▼
 シルヴァンさんが怪我をしてしまうなんて、
 どうお詫びしたらよいのか……▼
【シルヴァン】
 はは、このくらい大丈夫さ。▼
 でもそうだな、
 お礼なら今度お茶に付き合ってもらおうかな。▼

 え……で、でも……わたしなんて。▼
【シルヴァン】
 いつもそう言って、
 まだ一度もお茶も食事もしてくれないんだもんなあ。▼
 せっかくの機会なんだ、逃す手はないさ。
 いいだろ?▼

 ……わかりました。▼
【シルヴァン】
 よし!
 その言葉、忘れないでくれよ?▼
 これぞ、怪我の功名……なんてな。▼